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エクリチュールの行方

2018年04月11日 19:08

エクリチュールなどというものは、ただ単に生産し、そこいらを漂わせておけばいい、所有者の存在しないエクリチュール、エクリチュールの一人歩き。
そのエクリチュールに万が一気がついた人がいたとしたら、そしてそれが流用可能だと判断したのなら、その瞬間にその気がついた人の中でのみ秘かにデータベースに収納される。
その気がついた人がその後、何らかのエクリチュールを独自に生産しようとし、その人なりのデータベースを参照した時、そのエクリチュールが有効だと判断したのなら、それは流用される。
その流用に気がついた人がまた、流用されたエクリチュールが有効だと感じ、それをその気がついた人独自のデータベースに一旦収納し、その気がついた人が独自のエクリチュールを生産する時・・・・・・・・。
という事を繰り返す中で、当初のエクリチュールはより多くの人に認識され、それが有効だと感じる人も増えてきたのだとしたら、それはアーカイブ行きになるのかもしれないし、そうではないのであれば秘かに生息し続けるのか、もしくは立ち消えるのか。
エクリチュールの生産者の冥利というのは、それがアーカイブに収納される事なのか、逆にそうではなく立ち消えた事を確認し、とるに足らない自分というものを謙虚さの中で再確認する事なのか。
啓蒙が無効な社会において。

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