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シニシズム

2014年12月26日 09:18

20代の時、営業職についていた時なんですけど。
上司の方で、その頃50歳代後半位だったと思うんですけど。
シニシズム(冷笑主義)って言うんでしょうか。

会社での、年末の大掃除も終わり、仕事納めの日。
社長のあいさつの後「さあ、おつかれさん。今日はぱーっと行こうか」なんてみんなが言ってると。
「いや、おれはいいですよ。皆さんでどうぞ」みたいな事を、その人は言いだして。
で、その人以外のみんなは、他の方たちと一緒に飲みに行ったんですけど。
何故か僕は、妙にその人になついていまして、その人が一人で帰ろうとしている所を、無理やり誘って「飯食いに行きましょうよ、まだ帰んなくたっていいじゃないっすか」みたいな事を言って。
2人で食事に行ったりして。
まあ、その人には迷惑な話だったのかもしれませんが。
その人が言い放った言葉の中で、何十年たっても未だに忘れられないのが。
「年末年始って言ったってよ、年が変わるだけだろうよ。いつだって、月末の次の日は1日だろうよ。そして、1986年の次は1987年だろうよ」
「みんな、明けましておめでとうって言うけどよ、これっておかしいとおもわねえか? いいか、年が明けるかどうか判らない中で、みんなの期待通りに年が明けたって言うなら、そりゃ~おめでとう、だろうけどよ。なにも、開けるのは判りきってるのに、なんでそれがめでたいんだよ」
これを聞いた僕は、いちいちごもっともな、その人の独創的な理論(究極の屁理屈)に圧倒され、しばし言葉を失ってしまったのですが。
まあ、若かったせいもあるとは思いますが。
その人は、何かにつけて、そういった冷笑主義的な物の考え方をする人だったんですけど、なんかそういったキャラが受け入れられて、割と人望もあって、仕事も出来る人でした。
冷笑主義って、一つ間違うと、社会から背を向けて、自分の殻に閉じこもってしまう事にもつながると思うんですけど。
その人の場合は、冷笑主義と自身のプライドを保つ事のバランスが絶妙だったんでしょうね。

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