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スルーされた時に

2014年12月12日 09:31

気分転換というか、アロマテラピーもどきというか。
香水を何種類か持っているんですけど。
一番気に入っているのは、フェラーリのレーシングレッドという、なんとなくさっぱりしたフローラルっぽい匂いをメタルっぽい不思議な匂いで包み込んでいるような印象なんですけど。
あまり強くない匂いなんで、時々フッと香る感じなんですけど、なんというか、一瞬いい匂いに感じた後、なんと表現したらいいのかわからないような不思議な匂いが接近してきて。
そして、それは決していい匂いと言う訳ではなく、かといってくさい訳でもないという。
全くつかみどころのないような、色でイメージすると、太陽に透かした赤色を工業的なものを思い起こさせる、キラッとした金属的な匂いで覆っているという感じでしょうか。
なんか懐かしいような感じもするし、近未来的な感じもするし、よくわかりません。
そして僕はこのつかみどころのない、よくわからないところが、自分に合っているのではないかと思い、時々気分転換に使用しています。
他の数種類の匂いは、つけていると「あっ、いい匂い。なんですかそれ?」と聞かれる事が多いんですけど、この一番気に入っている問題児的なレーシングレッドだけは、今までつけていても、一回もいい匂いとも、くさいとも言われた事がなくて。
なぜか100%スルーされてしまうんですね。
でも、だからって自分から「どう、この匂い?」と聞く気にもなれず。
だから、自分ではすごく個性的な、いい匂いとも、くさいとも言えない、不思議な匂いだと思って、つけて自慢したいような気もしているにもかかわらず、誰もこの事に触れてくれないので、自分の判断が正しいのかどうかわからなくなって、ちょっと不安感に襲われるといったところでしょうか。

ちょっと前置きが長くなりましたが、香水に限らずこういった事って、色々な場面で、起きうる事だと思うんですね。
なんというか、自分ではいいと思って、人にも自慢できると思って、それを選択して。
自分の置かれている環境の中で、周囲からの羨望や歓迎を期待して、さりげなくそれを表現してみたら、自分の思惑と全く違って、何の反応もなく、完全にスルーされてしまい。
でも、自分からその事をアピールするのは自尊心が許さなくて、イライラしたり、すごく不安になったり。
そんな時はどうしましょう。
素早い変わり身で、スベッた事はなかった事にして、きれいさっぱり忘れさるか。
「なんだよ、みんな、ば~かっ」と言いながら殻に閉じこもるか。
キレて、火を噴きながら猛然とアピールするか。
根気よく、手を変え品を変え、あくまでもさりげなくアピールし続けるか。
どれがいいんでしょうね・・・。
人の反応を期待した上で、何かを表現して、それをスルーされた時って、すごく厳しいですね。
ナルシシズムが傷つくんでしょうね。
承認されるってすごく大切だと思います。
常に気遣いの出来る人って、そういった他人のちょっとした変化を敏感に感じ取る能力に長けているんですかね。

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