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世間の大好物としての「若者論」

2016年12月25日 09:20

「今の若者を指導する時、怒ってはいけない」とか言われますが。
そんなのはいつの時代だって同じであるような気もします。
怒られるのは誰だって嫌だし、それは僕らの時代だって同じ、そして僕らの時代というのは・・・・・と言っちゃいけないのかな、だから少なくとも僕は、勿論自分より年齢が上の人から怒られた時、拒否はしていたように記憶しています、反省は・・・どうだったかな、よく覚えていません。
今の若者も、昔の若者も、怒られたらそれを拒否したくなるというのは変わらない、そしてその拒否の仕方が違うだけ、これは時代や年齢に関わらず人によって拒否の仕方が違う、と言った方がいいようにも思え。
例えば怒られた時「チッ・・・・・・は~い」「・・・・・・ムカつくなこいつ」「なんだぁぁこのやろうっ」「う・・・・否定かよ・・・」「ああ、はいはい、すいませんね」「なによパワハラじゃん」「まっことにぃ、もぉぉしわけございまぁしえぇぇえん、ぺっこーん」と、なるのもあるのだろうし、そうだ、昔は通用していたパワハラが今は通用しないというのもありますね。
今の時代の若者が、怒られると辞めてしまう・・・・みたいにいう人もいるようですが、別にこれは人間が弱くなっているとかそんな理由からではなくてーー人間が時代と共にどんどん弱くなっている、という言説というのは、自分の時代は、もしくは自分はもっと強い、と言ういびつに歪んだ自己愛の裏返しでしかなくーーそれはただ成長段階で、キツイ怒り方をする大人がいなかった、でもそれは悪い事でもなんでもなくて、ちゃんといい部分を認めた上で、出来ていないところに対しては筋道を立てて説明する、という指導のされ方をしてきたからなのかもしれないですし、僕らだって若い頃そうやって指導された方が良かったな、とかも思います。
頭ごなしに怒られれば誰だって拒否したくなりますよね、そしてその拒否の仕方は本来は人それぞれの形があるのだけれど、世間の空気として今の若者の怒られた時の態度のひな形みたいなのが流布しているので、無意識的にそれを表現してしまう、ということもない事はないんじゃないでしょうか。
「今の若いやつは怒られればすぐ辞める」とうそぶいている部長さんがいたとして、社長にお願いしてその部長さんを頭ごなしに問答無用で120分間叱り飛ばし続けてもらったら・・・・・その部長さんどうするんですかね・・・・・まさか、ソッコーで辞めちゃうとか?
いつの時代だって、そして誰だって、世代で一括りにされたくはないですし、その人の固有性をまずは認めて、その人自体をちゃんと見て、まずはそこからなんじゃないでしょうか、当たり前の事ですが。
僕らの時代は、というか僕は、なのかな、あんまりくどくど怒られると、やっぱりそこは、フツーに反論?というか反抗?というか怒り返してましたけどね、これだって怒られる事を拒否していたのだと思いますし・・・・僕の周りの人達は割とこんな感じで。
まあ、今の時代の言葉に言い換えれば、逆ギレみたいな事なのかもしれないけど。
全部が全部こうだとは思ってはいませんが、でも、いつの時代も繰り返される、若者論というのはなんなのかな、という事は違和感と共によく思います。


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