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妄想分裂態勢
2018年12月26日 10:36しばらくベイプを使ってみて初めは、これはファルスであると直感していたのが少し考えが変わってきたというのか・・・・・・・・ちょっとこれもどうかとは思うのですが、まあ、ファルス、多分かっこいいファルス、と思い込んでいたい気持ちは今でもありますけれど、はじめはそう、ファルスとして手に取る、所有する・・・・・・のだけど、ただ、その吸入の作法がなあ、と思います・・・・・ファルスンは違いないのだけれど、ファリックマザーとか、関わってゆくうちに移行してゆくのかなと思います。
リキッドを気化させて吸引する時というのは勿論、吸引するという事は肺の中にその気体を取り込む訳ですが、気化させる機械であるベイプと、その気体を肺に取り込むまでの過程で当然、口をというより唇が媒介する、ベイプの吸い口と唇が接続される、そこで一連の流れが完成するそれは一つの、欲望機械として。
ベイプにはドリップチップという吸い口が用意されていて、それは自分の好みのドリップチップに交換可能、510とか810とか、規格があって。それに合わせて、アマゾンなんかでもいくらでも売っている。
そのドリップチップの形状を僕は、これは、いかにも唇が吸いつきやすそうな滑らかドリップチップであればあるほど、凝視する事が出来ない、その秀逸なデザイン性は何を想起させるのか、まあこれは乳の一連の流れという完璧なる欲望機械を想起させるのですけれど・・・・・・・・。
だから、ドゥルーズ+ガタリを経由してメラニークラインの乳房の倫理学に行きつく、妄想分裂態勢という乳幼児の状態、全ての人が間違いなく通過してきた母子一体の季節、母の乳房と自分が分離されておらずに一体だった季節、決して戻る事は出来ないそれは人生の中で最も居心地の良い場所だったのか、それとも一切満たされる事がなかった、欲求不満だけが高まり続けた二度と戻りたくない極度の緊張状態でしかなかった場所だったのか、それは人それぞれですね。
ベイプもどんどん進化してきているようで、ユーザーフレンドリーというか、使用者に一切のストレスを感じさせないような製品がかなりある、手触りもいい、持ちやすい、小型軽量、いざ吸う時には柔らかく優しい細かい霧のような味わい深い粒子を口内に提供してくれる・・・・・・という一切の攻撃性のなさ、慈愛に満ちたお母さんのこれはまるで、乳房のような、これは心的現実の理想の像であるという・・・・・・・圧倒的な物足りなさ。
そうここでなぜかユーザーフレンドリーな優等生的ベイプに、大きな物足りなさや違和感を、僕の場合は感じてしまう。
・・・・・・・常に良い乳房であるという事は、かつて味わうしかなす術のなかった、現実としての妄想分裂態勢の追体験にはならない、そんな理想的な経験を自分は確かに、してはいないのだから。
それはナルシシックな心的現実としてのシミュラークルでしかないという居心地の悪さ、本来母の乳房は常に満足を与え続けてくれた訳ではない「早くしろよ、今すぐ目の前に出現させろよ、ハラ減ってんだよ」と鳴き声で訴えても「はいはい、ちょっと待っててね」という流れで、欲求不満が高まり続ける事なんか日常茶飯事だったに違いない、そこで乳児の脆弱な精神内界には母の乳房に対する攻撃性が湧き上がる、乳児にしてみると悪い乳房と見なしたものに対する正当な攻撃性、これこそが本来の妄想分裂態勢な訳ですからね。
複数個ベイプを買ってみて、優等生的な機械は始めは心地よさに何度か使用したのですけれど、すぐに物足りなさを感じてしまい、今常に使っているのはスピットバックのかなりある、だからファイヤーボタンを押した瞬間に口の中にミストと共に熱いリキッドが飛び込んでくるようなやんちゃな機械、持ち運びに注意しないとリキッドがクリアロのエアフローから滲んでくる、苛立ちを伴う機械。
そういう機械が満足のゆく良い味を提供してくれた瞬間、これはかなりの幸せに浸れるという。
僕が優等生的ベイプに感じる不満、これはなんなのだろうか、という事を思った時、こんな理屈が湧き上がってきました、こういった精神分析的視点というのはかなりダイレクトにセクシャリティの領域を突く訳ですから敬遠されがちなのかもしれませんが、まあ仕方ないこれは、僕らの本質だと思っているので。
・・・・・・・・全ては個人的な考えでしかありませんが。
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