情緒的人間

無神論と言いつつも、勿論お彼岸や盆や正月や命日には墓参りに行ったりするわけですが。
手を合わせ、ご先祖を想い、そして何かに漠然と感謝したりもします。
ご先祖を想う事と宗教というのは全く別の事なんでね。
でも、墓の前で自然と感謝している自分に気が付く時、思う事があります。

どんなに科学が発展して、さまざまな事が解明され、その結果として信じて疑わなかったことが幻想だと暴かれ続けたとしても。
僕らはやはり、情緒であったり、何かを頑なに信じ続ける事であったり、そういった事によって支え合い続けながら生きてゆくのでしょう。
どんなに科学的・合理的思考のもとにある人だとしても、不安感や欠如感が完全に消え去るという事はないんじゃないのかな、なんて事も思います。
理性的・合理的でありたい自分、そしてそれ以上に情緒的でありたい自分。
誰だってそうなのでしょうが、そんな自分がいるのかもしれませんね。
言葉一つにしてもそうです、情緒が伴っていないと伝わりませんし、伝わるのは結果的に情緒に乗った言葉ではなく、言葉に乗った情緒の方であったりもします。
優しさ、儚さ、親切、何かを信じ続ける想い、すごく大切です、というかこれが一番大切なんでしょうね。