意気消沈の後に

それはパラノイアックな、そして倒錯的に膨張した言ってみれば多少は病的な自己愛の賜物なのでしょうけれど、自分が置かれている環境でそれなりに潜在性が刺激されて環境からの期待に沿う自分。
ただその自分に、というのは意味を与えられた自分というものに満足を感じて、自己愛が満たされ、その場所にずっと居続けたいと思うかというと、なかなかそうもいかないのだと思います。
それは自分の潜在性を盲目的に確信していればしているほど、その潜在性のたった一つの能力だけしか目覚めさせていない自分、他にももっと色々な事が自分は出来るのではないかという想いが湧き上がり、衝動的に環境から逃走しようとする、自分に与えられた意味を、自分から引き剥がして。
・・・・・・様々な自分を経験して、沢山の失敗と僅かな成功を積み重ねそれなりに学習する、出来る事と出来ない事が少しずつハッキリしてくる、自分の出来ない事が出来ている人に対して尊敬が湧き上がる、そこで初めて謙虚になる事が出来て、小さな自分を実感させて頂く事が出来る・・・・・・・・自分の底が見えてきて自己愛が適切な大きさに修正される・・・・・・・・その時に初めて、今いさせて頂いている場所で自分の全力以上のものを発揮させてもらう事を容認して下さる今の環境に、感謝が芽生えるのだと本気で思います。
誇大自己が幻想であったと確認できて初めて、小さな自分を受け入れられる、そうなってやっと、謙虚さや尊敬や感謝が生まれて、今置かれている場所で真摯に努力しようと思える、という愚かさ。