自分の片割れを求める

行為されているその性交渉が何に由来しているのか、というのはかなり大切な事であるように思います。
肉欲由来なのか、性欲由来なのか、そこには決定的な断絶が存在する、肉欲に由来しているという事は、その交渉の目的は性器的昂ぶりを開放する事、であればその相手はある程度は誰でも、とは言いませんが、よく許容範囲とか守備範囲とかギリオッケーとかいう言葉も耳にしますし、だからこの人でなければという事ではない、肉欲由来の場合は「やりやいだけじゃん」みたいな手痛い言葉を浴びせられる場合もある。
・・・・・・性欲由来というのは、男女の場合に限ってはそれはアンドロギュノス、引き裂かれた片割れを求める、元々は一体をなしていたものを探し求め、もう一度元の状態に戻ろうとする強い想い、その想いが果たされている時は大きな喜びや安堵や二度と離したくない慈しみの気持ちが湧き上がってくる、元々の片割れを再発見できたのですから、そして自身がその事を通じて完璧な存在に立ち戻る事が出来たのですから、勇気だって湧き上がってきますね、何でもできそうな気もしてくるし、コイツの為ならとかも強く思う、充実感に満たされ続ける状態。
これは肉欲的性交渉のもう一段上の階層に位置する状態なのでしょうけれど・・・・・・アンドロギュノス、であれば誰に対して、あなたはかつて自分が引き裂かれるしかなかった片割れであると認識宣言するのか、自分の片割れにふさわしい相手、自分の足りない部分を補ってくれる人だったり、自分に似た人であったり。
肉欲を排除した大きな意味での性欲には、まあ性といってもいいですけれど、大きな喜びや満足や充足が、そして幸せがもれなくついてくる・・・・・・そして身も蓋もない事を言い切ってしまえば、その再発見は何度でも何度でも相手を変えて繰り返される可能性がある・・・・・・・ロマンチシズムは悪い事ではないですし、自分の歩んできた道を振り返ればもしかしたら歴代の彼氏彼女に見い出しているのかもしれないですね、そしてその度にとても幸せな気持ちになった、誰を性交渉の対象に選択するのかというのは、とても重要な事。
衝動的に「あなたが欲しい」とか「おまえが欲しい」とかいう言葉が湧き上がってくる時もありますね、愛おしくて仕方がない時、これはかつての自分の片割れであると見なしたからこそなのでしょう。
自分の片割れ、それは世間一般で言われる美人やイケメンとは全く関係がない、完璧に主観の産物、例を挙げれば、僕の場合はやたらと痩せている事であったり、内心の不安や寂しさを押し隠して頑張っている事であったりします、それを発見した瞬間にその人を自分の片割れであると認識して、結果その人がこの世で一番美しく輝きだす、このセリーに存在するのはなんでしょうか、やはり似ている事、あとはそう男ですから、守りたいという衝動なのかなと思います。
１０代２０代の頃は「なにっ、やりたいだけじゃん」みたいなニュアンスは勿論経験しましたが、なぜかバレるんですね、今の若い男性はそうでもない人も多いように見受けられて、はじめからきちんとアンドロギュノスを見据えているようでもあり、賢明だなあ、と思います。