色の無い熱帯魚

気が付くと不在になっていた身体に呼応するかのように前景化してくる精神、身体は薄れゆき、精神が鮮やかに輪郭を増す、静けさの中に点在する、自分は確かにそれでしかない、と言うすがすがしさ。
別れを告げつつある月明かりに照らされ、思いのほか鮮やかに静まった紺色を見上げ、自分がなにか「色の無い熱帯魚」であるかのような確信を、真実を抱き寄せた充実に小躍り続ける精神として。
明け方外へ出て、色の無い熱帯魚に喜びを感じ、清々しさを漂っているその時、背後から呼び求められ、その瞬間に多少強引な仕方で不在だった身体を呼び戻し、自分は今から何色に浮かび上がるのだろうかと、身体を伴い求められる場所へ。
・・・・・・・今朝、５時前に外へ出た時、梅雨時のような湿度と暖かい風を感じました、そしてそれは過ぎ去りゆく月明かりに彩られて、思いのほか優しかった。
自分というのはもしかすると、毎朝生まれ変わっているのかもしれませんね、基本は無色透明、それぞれの一日は、求めてくれる人によって、さまざまに色付けされる、僕らはそういう存在でしかない・・・・・・・・とか、今朝は嵐を覚悟していたので意外な一瞬の穏やかさに喜びを感じました。