葛藤が生じる人

厚みを感じさせてくれる人、薄っぺらい人。

自分の考えを、自分の想いを、自分の言葉でしゃべろうとする人に対しては厚みを感じる。

常套句や教科書的受け売りを流暢にしゃべる人に対しては薄さを感じる。

何故、常套句やテキストに記述されているような言葉ばかりをしゃべれるのか、恥ずかしけげもなくテキストをコピーし続ける事ができるのか。

たぶん、そうする事しかできないという事態そのものが、薄さの原因なのでしょうが・・・・それはナルシシズムを守る為でもあり、自分の考えを述べる事によって人から採点評価されてしまうという恐怖を避けるためでもあり。

自分の考えが否定されて傷つく可能性に想いが及んで恐怖心が芽生えた結果であるとも言えるのか・・・・・それか、もしかしたら、そもそも自分の考えという概念そのものを持ち合わせていないのかもしれませんが、常套句やテキストだけに従って作動し続けているような状態なのかもしれません、でも、これは生きやすさの一つである事には違いない、迷いは生じないのでしょうから。

知識を披露する事が尊敬を得るという事につながる、との確信からなされている場合もあるように思います。

人からよく思われたいからしゃべる、という動機に基づいてしゃべってはいるのだとは思いますが、結果的には薄さが露呈してしまう。

自分の考えをしゃべる事というのは、なかなかに勇気の必要な行為、そして自分の考えをしゃべらずにはいられない時、葛藤が生じる場合もあります。

葛藤が生じる人というのは明らかに、厚みのある人です。