神奈川県藤沢市城南 東海道線沿線のカウンセリングルーム。辻堂駅より国道一号線方面へ徒歩12分。10:30~21:00、年中無休。


13.投射

2014年11月04日 10:54

7~8年前から玄関の脇に飾ってある小さな絵(シルクスクリーン)があります。少し日本人的な顔つきをしたヨーロッパの女性(たぶん)がドレスを着て花を持っている上半身の絵です。 人に言わせると「ふーん、きれいだね」の一言で終わってしまうような、何の変哲もない絵なんですけど。
僕はこの絵がどうにも苦手で・・・、そして苦手であるが故に、あえて飾ってあるという、非常に矛盾した状態で・・・。
なにが苦手かと言うと、どういう訳か自分の精神状態をその絵に投射してしまうんですね。
何日かに一度、あえてその絵の前に立ってみるんですけど、絵を見た瞬間にその絵がなにか語りかけてくるようで、何を語りかけてくるかと言うと「ちゃんとやってんの?」「しっかりしなさい!」「甘えちゃダメでしょ」とまあ、こんな感じで怒られてるような気がする事がほとんどで、一回目をそらしてもう一度見ると、今度はうっすら冷笑しているような。
そう言えばこの絵を買った時も、百貨店で偶然見かけて「ちゃんとやってんの?」と言われているような気がして、ついつい買ってしまったと記憶しています。
よくモナリザは見る人のその時の気分で全然違って見えるとか言いますけど、僕にとっては、このヨーロッパの女性の小さな絵が、その役目を果たしてくれてるのでしょうね。自分のどこかに、その女性に近い何らかのイメージがあって、その時の自分の気持ちを、その絵の女性に重ね合わせ、あたかもその絵の女性が僕に語りかけてきているような。
でも、そう考えると僕は、いつも「ちゃんとやってなくて、しっかりしてなくて、甘えてて、それじゃいけないって思っている」って事になってしまうんですけど・・・。と、考えれば考えるほど、自分を追い込んでしまいますが、この絵はこれからもずっと自分の精神状態を確認するために飾っておこう、と思っています。

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