神奈川県藤沢市城南 東海道線沿線のカウンセリングルーム。辻堂駅より国道一号線方面へ徒歩12分。10:30~21:00、年中無休。


38.ペロティ

2014年12月03日 19:32

僕が子供の頃、ペロティというチョコレートがあって、確か30円だったと思うんですけどプラスティックの棒についていて表がホワイトチョコでそこに色々な絵が書いてあって、もしかしたら今でもあるんですかね...、ちょっとよくわかりませんが。
家の近所に商店があって、よく学校から帰ってきて、夕方母が夕食の支度をしていると、味噌や醤油やソースが切れていると、小銭を持たされてそこまで買いに行かされてたんですけど、よくお釣りで、内緒でペロティを買って、その場で開けて、家に帰りつく前に一気に食べる、という事をしていました。僕にとっては至福のひと時で、お使いって結構嬉しかったんですけど。お釣りは電話の横の小銭入れに入れておけばよかったんで、全然ばれないという。
ある夏の日、いつものようにお使いを頼まれたんですけど、その時小銭がなくて500円札を渡されて、そうなると必然的に200円くらいの買い物ですから、お釣りがたくさんある、という事で、いつもはビビりながら一つしか買わないペロティを、いつもの3倍ビビりながら3個買って、家に帰りつくまでに一個はいつものように完食したんですけど、2個残ってしまって、玄関の脇にある物置に隠し、なにくわぬ顔で「ただいま~」とお使いをしてきた、いい子ぶって帰って、テレビでアニメを見ているうちに夕食になり、夕食を済ませて宿題をしていると、玄関の方から「伸一郎っ、ちょっときなさいっ」と母がどなっている声が、その時僕はすっかり宿題をやってるいい子モードだったので、ペロティを2個持って鬼の様な顔をしている母の顔を見ても今一つ事態が呑み込めず、数秒後に釣銭ごまかしモードに逆戻りして、これは何としても言い訳して、母を納得させて事態を乗り切るしかないと開き直り「拾った、ドブに落ちてた」「店のおばちゃんが、タダでくれた」「自転車に乗った知らないおじさんがうちの前で配ってた」この3つの言い訳は鮮明に覚えているんですけど、あとどんな言い訳をしたのかは覚えていません。
ただ、そのあと父が帰ってきて、母が父に言いつけて、波平さんとカツオ君レベルの雷が落ちたことは記憶しています。
一生懸命に母に「お父さんには内緒にしてね」って頼んだんですけどね。

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